梅の花
春の先がけに花開く梅の花。少し肌寒い季節に香り高き気品のある花を見ると、清々しい気持ちになります。その花は、冷たい澄んだ空気にとてもよく似合います。
硬い蕾から、柔らかな蕾へ、そしてふんわりとした開かんばかりの蕾へと成長しちらほらと花開く…。
この、ちらほらと花を開かせているタイミングがなんとも美しい梅の姿ではないかと思いますが、やはり、満開に花を開かせた梅の木も格別に美しいです。
いつもの何気なく歩いている通勤路に梅の花が素敵な春の彩りを加えてくれました。
いつもの道に植物たちが与えてくれる彩は、心和やかに気持ちをリセットしてリフレッシュさせてくれます。
いつもの通勤路に咲く梅の木には、『梅に鶯』ならず『梅に雀』で、いつも雀たちが日向ぼっこをしていてとても可愛らしい風景を作り出してくれています。
そんな通勤路に咲く梅の動画を撮ってみました。ご視聴いただけると嬉しいです。雀さん達も映るように頑張ってみたのですが、中々上手くいきませんでした。鳥を撮るのは本当に難しいです。
梅の花と川のせせらぎ動画
梅に鶯
梅の花といえば、連想するのが鶯(うぐいす)ではないでしょうか?しかし、白やピンクの花を咲かせた梅の木の枝にうぐいすがとまっている姿は、残念ながら絵や写真でしか目にしたことがありません。
鶯が梅にとまっている光景をよく知っているようで、実は、本物を見たことがないだなんて…。
「梅に鶯」というのは梅にウグイスが来ると言う意味ではないようです。梅は春を待つ人々に咲きかけ、春告鳥とも言われるウグイスは春の訪れを歌い共に親しまれました。日本人の早春のイメージであり理想であり文化なのです。
ことわざ
『梅に鶯』とは、縁起がよい意味合いで使われます。非常に取り合わせがよく似合って調和する二つのもののたとえや、仲のよい間柄のたとえです。粋な日本文化を象徴する言葉でもあります。
「梅に鶯」といえば思い浮かぶのは花札の梅の図柄です。満開の紅梅の枝に、濃緑の羽を持った鶯がとまっている図柄です。
取り合わせのよいもののたとえは他にもあります。
『柳に燕』
『松に鶴』
『牡丹に唐獅子』
『竹に虎』
『紅葉に鹿』
絵柄として調和しているたとえは、独特の感性がとても魅力的です。
鶯とは
鶯はスズメ目ウグイス科の小鳥で、日本全土に分布する留鳥(りゅうちょう)です。
古くから親しまれ、奈良時代には「法告鳥(ほほきどり)」と呼ばれました。また春に「ホーホケキョ」の美しい囀 (さえずり)を聴かせてくれることから「春告げ鳥」とも呼ばれ、『万葉集』には鶯を読んだ詩が四十八種もあります。
鶯色とは
鶯色(うぐいすいろ)とは、鶯の羽のような暗くくすんだ黄緑色のことです。
江戸時代からの色名ですが、当時は茶系が流行色であったため、鶯色を茶色がからせた『鶯茶(うぐいすちゃ)』のほうが粋な色として人気があり、単に「鶯 (うぐいす)」といえば『鶯茶』を指していました。
鶯色が一般に認められるようになったのは明治後期に流行色となってからです。
まとめ
取り合わせの良いものを図柄にしてきたという日本の粋な文化を知ることができました。梅の花色と鶯色のコントラストは、和に欠かすことのできない伝統的な色合いです。