水仙
冷たい澄んだ空気の中に、ほのかに上品な香りを漂わせてくれる水仙の花。春の訪れを知らせてくれる花です。その香りは天然香料として、香水の原料になっています。
イヤリングのように釣り下がった花は、とても可憐です。しゅっと細く長く伸びた緑色の葉から白と濃い黄色の顔をのぞかせた凛としたその清楚な姿は美しく、心が洗われます。
水仙とは
ヒガンバナ科スイセン属の球根植物で、イギリスの国花であり、日本では福井県の県花です。
水仙は1万種類以上で、原種は30種類ぐらいあります。水仙の原産地は北アフリカ、スペイン、ポルトガルなどがあります。
水仙は地中海沿岸→中国→日本へと伝わり、日本の本州以南の暖かい海岸近くで日本水仙は野生化しています。
春を告げる草花として日本では古くから親しまれ、その清楚な様子と香りが、華道・茶道でも重宝されています。
水仙の効果効能はリラックス、鎮静作用や催眠作用があります。
名前の由来
漢名の「水仙」を音読みして「すいせん」になった。漢名は「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典から、きれいな花の姿と芳香がまるで「仙人」のようなところから命名されました。
別名は、雪の中でも春の訪れを告げるので、雪中花(せっちゅうか)です。
水仙の季節・時期
開花時期は、12月半ば ~ 翌年 4月半ば。
早咲きものは正月前頃にはすでに咲き出している。「日本水仙」「房咲き水仙」などの早咲き系は12月から2月頃に開花します。
3月中旬頃から咲き出すものは花がひとまわり大きいものが多い。「ラッパ水仙」や「口紅水仙」などの遅咲き系は、
3月から4月頃に開花します。
水仙の花言葉
スイセンの花言葉で一番有名なのが「報われぬ恋」。
これはギリシャ神話に登場し、ナルシストの語源ともなった美少年ナルキッソスが、泉に映った自分の姿に恋をして毎日見つめ続けたらいつのまにか1本の花になってしまったという物語に由来しています。
水仙の色または種類によって花言葉が異なっています。
・思い出、記念、自尊(房咲水仙)
・持って生まれた素質・報われぬ恋、尊敬、心づかい(ラッパ水仙)
・詩人の心(口紅水仙)
・思い出(糸水仙)
・優しい追憶(笛吹水仙)
・田園の幸福(八重咲水仙)
・日本水仙は(自己愛)
・白い水仙の花言葉は「尊敬」「神秘」で、見た目から神々しい雰囲気を漂わせていることからきています。
・黄色の水仙の花言葉は「私の許へ戻って」「もう一度愛に応えて」で、この花言葉は「黄泉の国(死後の世界)」に連れ去られた農業と豊作の女神メンデルの娘の伝説に由来します。花言葉は、ギリシア神話に由来しています。
水仙を英語で
水仙の英語は「narcissus」です。水仙の発音記号は「nɑɚsísəs」
日本人のカタカナ読みをすると、ナルシッシスとなります。
ナルシストに関係あるのでこのような英語になっています。 水仙を複数形の英語で表す場合「narcissuses」です。
水仙の英単語レベルは英語検定1級以上とかなり難しいレベルです。
また、水仙の品種では、
ラッパズイセン:daffodil
キズイセン:jonquil
毒があるの?
水仙の葉や球根にはアルカロイドという毒があり体内にいれると悪心や下痢、発刊、頭痛、嘔吐などの中毒症状が現れます。
葉がニラに似ているため誤食してしまうことがあるため注意が必要です。
まとめ
私たちがよく使うナルシストという言葉が『水仙』の物語に由来していることがわかり、大変興味深かったです。
水仙の美しさの裏に、恐ろしい毒が隠されていることを知りました。ニラと間違って食べないように気を付けなくてはいけないですね。厚生労働省なども注意を呼びかけているそうです。畑のわきなど間違えやすい場所には植えないよう注意が必要ですね。