アベリア [Abelia]
小さくて可憐に咲き乱れる白いアベリアの花。コンクリートの歩道に自然の温かみを与えてくれるアベリア。
茂った葉っぱの街路樹の歩道が、ふと気が付くと、白いかわいい花に覆われた歩道に変身する季節があります。
その素敵な歩道に変身する季節はいつなのでしょうか?
アベリアの花が咲く季節
旬の季節: 初夏~秋
開花時期: 6月~11月
アベリアは春から秋の長期にわたって枝先に白や淡いピンク色の釣鐘のような形をした小さい花をたくさん咲かせる常緑性の低木植物です。
光沢のある白花が緑葉にまぎれて咲きます。1cmくらいの小さな花なのですが、葉色がベーシックな緑葉のおかげで花はよく目ださせてくれます。
秋~冬は花柄がピンクに染まって、花柄なのに花のようにも見えます。
アベリア特徴
花の香りが豊かで大気汚染や乾燥に強く丈夫で育てやすいことから、庭木や生垣、公園樹、街路樹として様々なところでその姿を見ることができます。
排気ガスに強いので道路沿いに植えられます。
アベリアの花は虫にとってよほど良い匂いがするのか、小さなハチや大きなクマバチなどが集まります。
名前の由来
属名の学名「Abelia(アベリア)」は、19世紀に中国で植物を採集したイギリスの医師、博物学者クラーク・エーベル(Clarke Abel / 1789~1826)の名前にちなみます。
和名「花衝羽根空木(ハナツクバネウツギ)」の衝羽根は、ガクが残った姿が羽子板遊びのはね(衝羽根)に似ていることに由来します。
英語では「Glossy abelia(光沢のあるアベリア)」と呼ばれます。
アベリアの種類
アベリアの花色は主に白の品種とピンクの品種の2種になります。そのほか、葉に白や黄色の斑が入る品種もあります。
花が美しいのはもちろん、斑入りなど、葉の観賞価値の高い園芸品種もあっておすすめの花木です。
アベリアは、19世紀中期にイタリアで作出された交配種です。両親の長所である四季咲きといえるほど長い開花期や、半常緑でありながら寒さに強いという特徴を受け継いだ、優秀な園芸品種といえます。
アベリアの野生種は、日本、中国、ヒマラヤ、メキシコに15種が分布する常緑、または落葉の低木で、日本には4種が自生しています。
いくつかの種類に分かれており、色や形が少しずつ違います。
【アベリア・カレイドスコープ(別名:万華鏡)】
2009年に種苗登録された萌芽力が強い品種です。
葉に入っている斑は、黄色からオレンジ、銅色へと冬に向けて変化していきます。
【アベリア・コンフェッティ】
葉っぱに入った白色の斑が、寒い季節になるとピンク色に変化する品種です。葉が小さく、樹形がまとまりやすいのが特徴です。
【アベリア・サンライズ】
斑入り葉の代表的な品種で、黄色の斑をもっています。樹高が高くならないことから、低い生垣を作るのに重宝されます。
【アベリア・エドワードゴーチャ】
ピンクの花をつける、よく見かける品種です。葉色は緑で、少し大きめの花がよく目立ちます。
【アベリア・グランディフローラ】
赤いガクと花色の花びらの対比が美しい品種で、最もよく植えられています。
誕生花と花言葉
7月7日の誕生花は「アベリア」。
「アベリア」の花言葉は「謙遜」「強運」。
花言葉の由来
花言葉の「強運」は、新しく伸びた枝先に香りの強い小花を長期に渡って咲かせ続ける樹勢の強さにちなむともいわれます。
「謙虚」「謙譲」の花言葉は、個々の花の小さくつつましい姿に由来するともいわれます。
まとめ
アベリアが街路樹としてなぜ人気なのか?どうして道路わきに植えられているのか?ということがわかりました。アベリアの美しい花が咲く季節に、花の香りを楽しみながら歩道をのんびり歩きたいと思います。
きっと、素敵な時間を過ごせることと思います。
科・属名: スイカズラ科ツクバネウツギ属
学名: Abelia × grandiflora
和名: 花衝羽根空木(ハナツクバネウツギ)
別名: アベリア、花園衝羽根空木(ハナゾノツクバネウツギ)
英名: Glossy abelia
原産地: 中国原産のキネンシス種とウニフローラ種との交配種