目次
紫陽花【あじさい】
英語では【hydrangea】
梅雨のじめじめと鬱陶しい季節に、ぱっと明るさを与えてくれる紫陽花の花。小さな花が集まり大輪の美しい花を咲かせる紫陽花。ほかの植物が元気を無くしがちな梅雨の時期に、華やかで大きな花を咲かせてくれます。
つぼみの緑色からほんのり色付き、様々な色に変化する紫陽花。見るたびに様々な表情を見せ楽しませてくれる花です。しとしとと雨の降るなかに咲く紫陽花は、日本の美を象徴する風景です。
紫陽花の種類
日本を原産とするアジサイは西洋で人気に火がつき「西洋アジサイ」が生まれ、今では世界中に2000種類もの品種がります。
紫陽花の種類【ガクアジサイ】
日本に自生していた原種です。紫陽花の花はたくさんの小花が集まって大きな丸い形を作っています。
外側の花だけが開花し、内側の花は小さい点のままです。外側だけ花が開いている様子はまるで額縁のようであることから、ガクアジサイという名前がつけられました。
山などに自生する「ヤマアジサイ」はこちらに属するものが多いです。
紫陽花の種類【アジサイ】
すべての花が開花し、こんもりと手まりのような形をつくる紫陽花です。
「アジサイ」の原種は「ガクアジサイ」。日本に自生していたガクアジサイが品種改良され、様々なアジサイが生み出されました。よく見かける「西洋アジサイ」はこちらに属します。
紫陽花は落葉低木に属する植物で、樹高は1〜2メートルくらいになります。
紫陽花の特徴
花の開花時期は5~7月です。梅雨時期が一番の見頃であり、しとしと降る雨と紫陽花のコントラストは日本の梅雨を代表する風景のひとつです。
大きく華やかな紫陽花の花ですが、花のように見えている部分は、実は花びらではなくガクです。紫陽花の本当の花はガクの内側に小さく存在しています。
葉っぱの形は、楕円形で先がややとんがっています。大きくつやつやと光沢があり、はっきりと葉脈が浮き上がっている印象です。
根っこから吸収されるph.値によって花色を変える植物です。
土壌が酸性の場合青色の花となり、逆にアルカリ性の場合はピンク色になります。
酸性の土壌にはアルミニウムが含まれています。紫陽花のなかにあるアントシアニンと土壌のアルミニウムが結びつくことで、花色が青色に変化します。
紫陽花の花色はもともとピンク色。ですから花の老化とともに最後には青色の花もだんだんとピンク色に近づいていきます。
毒のある品種が存在する
毒性のある品種と毒性のない品種が混在して存在しています。毒性のある紫陽花を誤って口にしてしまうと、吐き気やめまい、顔面紅潮などの症状に見舞われますので注意が必要です。
|
花言葉
紫陽花の花言葉
「乙女の愛」
江戸時代の物語に由来する花言葉です。当時西洋人の医師のシーボルトは日本人女性と恋に落ちやがて子供を授かりますが、シーボルトは時の情勢により国外追放に。
彼は日本を去るときにアジサイを持ち帰り、祖国ドイツにて紫陽花の美しさと日本にいる妻を重ね合わせるのです。この少し切なくも悲しいお話からつけられたのが「乙女の愛」という花言葉です。
「移り気」
花が土壌成分により色を変えるという特性から「移り気」という花言葉が生まれました。
「浮気」
「浮気」も紫陽花の花が色を変化させる様子からつけられた花言葉です。
紫陽花の色別花言葉
白色の花言葉「寛容」
白い色の品種もあります。どの色にも染まれる白色から、「寛容」という花言葉が生まれました。
ピンク色の花言葉「元気な女性」
ピンク色はとても可愛らしくまるで跳ねているようでもあり「元気な女性」という花言葉があります。
青色の花言葉「忍耐強い愛」
紫陽花は強い植物で、自然のままに放っておいても毎年美しい花を咲かせ見るものを楽しませてくれます。そんな姿からつけられた花言葉です。
学名: Hydrangea macrophylla
和名: 紫陽花(アジサイ)
別名: ハイドランジア、西洋紫陽花(セイヨウアジサイ)
英名: Hydrangea
原産地: 日本、アジア、北アメリカ
開花時期: 6月~7月
英名のHydrangea(ハイドランジア)は、ギリシア語の「水の器」を意味する言葉を語源とします。
長崎に「オタクサ」と命名された、紫陽花の小花をモチーフにしたパイのお菓子があります。ほんのり甘くてさくさくで私の大好きなお菓子です。長崎に出かけた時は必ず購入しますし、お土産でいただくととても嬉しい一品です(^^♪
《初夏に咲く白い花たちのまとめはこちらからどうぞ》
育て方
〔土づくり〕
水はけのよい土壌を好む植物です。紫陽花の花色は土壌のph.に左右されます。花色をブルーにしたい場合は酸性に、ピンクにしたい場合はアルカリ性に土壌ph.を調整しましょう。
〔肥料〕
あまり肥料を与えなくてもある程度育ちます。ただし少し肥料を施すと花付きがよくなります。元肥として3~4月頃に緩効性の肥料を与えます。
花が咲き終わったあとに、液体肥料を少し施すとよいでしょう。
(水やり)
乾燥を嫌う植物です。鉢植えの場合には、植えている土の表面が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。庭植えの場合は日照りが続く場合にのみ水やりをしましょう。
〔植えつけ〕
植えつけに適した時期は3~4月もしくは9~10月の気候のよい頃です。花色を調整したい場合には鉢植えの方が安定するので便利です。
〔植え替え〕
生命力にあふれた植物で根っこがすぐに成長します。鉢植えの場合1年に1度の割合で定期的に植え替えしましょう。植え替えの適期は花の咲き終わる7~9月。
〔剪定〕
育て方のポイントは剪定です。すぐに大きくなるのでつい枝を切ってしまいがちですが、間違えた時期に剪定してしまうと次の年に花が咲きません。
剪定の適期は花が咲き終わってからすぐ。6~9月です。花のすぐ下の節を切りましょう。あまり切りすぎると翌年の花付きが悪くなります。
〔挿し木〕
用土は、水はけが良く、清潔で肥料分が無いものがおすすめです。肥料分があると、挿した枝が発根するまでに腐ってしまうことがあります。
健康に育ち、勢いのある株から挿し穂をとります。
挿し穂は下の部分を斜めにカットして長さをそろえ、すぐに水にさし1時間以上水あげします。水あげができたら、あらかじめ水をかけておいた挿し床に割り箸で穴をあけ、挿し穂を1本ずつ挿します。葉が隣の挿し穂と重ならないようにします。
挿し終わったら、十分に水をあげます。活力剤などを使って発根を促進させる方法もあります。直射日光があたらない明るい日陰に置きましょう。暗すぎる場所も良くありません。
挿し木直後の3日間ほどは毎日お水をあげます。それ以降はいつまでも水が多いと発根する前に挿し穂が腐ってしまう場合があるので、土が乾いてきた様子を見てあげましょう。置く場所と水の管理が一番大切です。肥料は絶対にあげません。
挿し木がうまくいくと1カ月くらいで発根するので、それ以降は普通の肥料入り培養土に植え替えることができます。上手に発根する枝と、失敗してしまう枝と両方あるかと思いますが、楽しんで挑戦してみてください。
まとめ
新種には可愛い名前のものも多く名前を見ているだけでも面白いものもあります。毎年のように新種が生まれるので、珍しい紫陽花探しをしてみるのも楽しいですね。