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つくし(土筆)
英名: Field horsetail
まだ寒さが残る春先に“つくしんぼ”をみつけたらとっても嬉しい気持ちなりませんか?(あっ!花粉症の方は、嬉しいだなんて…絶対に思わないですねっ。すみません…。)
土の中から「よいしょ~っ!」にょき~~ぃっと出てきたつくしの姿形は、本当に可愛らしいです。「頑張って出てきました~っ」て、とても誇らしげに見えます。
そんなつくしについて調べてみました。
つくしとスギナとは
つくしとスギナの関係って…?
スギナ(杉菜、学名:Equisetum arvense)とは
シダ植物門トクサ綱トクサ目トクサ科トクサ属の植物の1種で日本に生育するトクサ類では最も小柄です。
その栄養茎をスギナ、胞子茎をツクシ(土筆)と呼び、ツクシの方は食用とされます。根が深いことから「地獄草」の別名を持っています。
つくしの成長後に、つくしとは全く外見の異なる栄養茎を伸ばすのがスギナです。栄養茎は茎と葉からなり、光合成を行います。
鮮やかな緑色で丈は10 – 40cm程度。主軸の節ごとに関節のある緑色の棒状の葉を輪生させて上の節ほどその葉が短い姿が全体を見るとスギの樹形に似て見えます。
浅い地下に地下茎を伸ばしてよく繁茂します。生育には湿気の多い土壌が適していますが、畑地にも生え、難防除雑草です。
つくしとは
「つくし」は春の季語です。ツクシの丈は10 – 15cm程度です。
春に地下茎からツクシという胞子茎(または胞子穂、胞子体)を出して胞子を放出します。
つくしの穂を放置すると、緑色を帯びたほこりの様なものがたくさん出て来ます。これが、胞子です。
袴(はかま)とは
薄茶色で「袴(はかま)」と呼ばれる茶色で輪状の葉が茎を取り巻いています。本来、袴は植物(草本)の茎の部分を覆っている皮のことで、ツクシの場合は土中から生えるときに穂先などを保護する役割をもっており成長後も残っています。
語源
▪ツクシ
スギナにくっついて出てくることから「付く子」、袴の部分で継いでいるように見えることから「継く子」となった説が有力です。
「つくしんぼ、つくしんぼう」(土筆ん坊)、地域によっては「ほうしこ」(伊予弁等)とも呼ばれることもあります。
▪土筆
土から出てきた胞子茎は、伸びきる前は先端まで「袴」に覆われており、その形状が「筆」に似ていることから、「土筆」という字を当てられるようになったものと考えられます。
花言葉
▪ツクシ全般の花言葉
「向上心」「意外」「驚き」
花言葉の「向上心」は、つくしが地中から天に向かってすくすくと伸びることに由来するといわれます。
食材として
春の山菜として親しまれています。袴を取って茹でて灰汁を抜き、だしで軟らかく煮たり、佃煮にしたりして食用とします。
ですが、チアミナーゼ、アルカロイド、無機ケイ素などを含むため、多量の摂取は推奨されません。また、心臓、腎臓の疾病を有する人やニコチンに対する過敏症を有する人の摂取は禁忌とされています。
さらに、チアミナーゼによるビタミンB1欠乏症を起こす恐れがあるとされています。
つくしの卵とじ
ほのかな苦みが特徴です。しっかりアク抜きして優しい味の卵とじをいただきましょう。
つくし … たくさん!400~500g
卵 … 2こ
砂糖 … 大さじ2
みりん … 大さじ2
しょうゆ … 大さじ2.5
だし汁 … 300cc
▪作り方
1 、ハカマの部分を丁寧に掃除し(取り除き)ます。指先が2日程真っ黒になってしまいますので、ビニール手袋がおすすめです。
2、何度も水を換えて、しっかり汚れを洗い落とします。
3、たっぷりの熱湯でゆでこぼします。
4、その後、水にさらして30分くらい置いておくか、何度か水替えをしてしっかりアクを抜きます。
5、ぎゅっと水気を絞り、ざく切りにします。
6、お鍋にだし汁と調味料を入れ、つくしを入れ15~20分フタをして煮ます。
7、溶き卵を流し入れ、フタをして火を止めます。
8、卵が半熟程度に固まればできあがりです。
▪ポイント
つくしを綺麗にして茹でしぼると、量が3~4割減します。
えぐみがあるとせっかくのつくしを美味しく頂けませんのでしっかりあく抜きすることが大切です。
まとめ
春のつくしと触れ合うことで、春を満喫してみてはいかがですか?
つくしは和歌の世界でも春の季語として扱われています。ハウス栽培などはされていなませんので、自然の中の春だけに楽しむことのできる季節感あふれる食材の一つです。