新元号[令和-れいわ]万葉集より典拠-ポルトガル語発音で何?意味由来

スポンサードリンク

新元号【令和(れいわ)】

平成31年4月1日月曜日午前11時41分に、菅官房長官より新元号が発表されました。

歴史的な発表です。
元号「令和」が始まる日となる政令の施行日は皇太子さまが天皇に即位される5月1日です。

万葉集より典拠

新元号は645年の「大化」から数えて、248番目です。

「大化」から「平成」までは、確認されている限り中国の儒教の経典「四書五経」など漢籍を典拠としており、安倍政権の支持基盤である保守派の間には国書由来の元号を期待する声がありました。

安倍晋三首相は記者会見して典拠を万葉集とした理由について「我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書だ」と説明しました。

万葉集 巻五 梅の花「序」32首「初春令月」

〈万葉集にある歌の序文〉
初春しょしゅん令月れいげつにして、気淑きよ風和かぜやわらぎ、梅は鏡前きょうぜんひらき、らん珮後はいごこうかおらす」

歌の解釈


この漢詩風の一文は、梅花の歌三十二首の前につけられた序で、書き手は不明ですがおそらくは山上憶良(やまのうへのおくら)の作と思われます。

その内容によると、天平二年正月十三日に大宰府の大伴旅人(おほとものたびと)の邸宅で梅の花を愛でる宴が催されたとあります。

このころ梅は大陸からもたらされたものとして非常に珍しい植物だったようです。

当時、大宰府は外国との交流の窓口でもあったのでこのような国内に無い植物や新しい文化がいち早く持ち込まれる場所でもありました。


この序では、前半でそんな外来の梅を愛でる宴での梅の華やかな様子を記し、ついで梅を取り巻く周囲の景色を描写し、一座の人々の和やかな様を伝えています。

そして、中国にも多くの落梅の詩があるように、「この庭の梅を歌に詠もうではないか」と、序を結んでいます。

我々からすると昔の人である旅人たちが、中国の古詩を念頭にして「いにしへと現在と何の違いがあろう」と記しているのは、面白いところです。

大伴旅人を中心とするグループが詠んだ歌


典拠となったのは万葉集に収録された8世紀の歌人、大伴旅人を中心とする梅花の宴(うたげ)の「序」です。

正月に仲間を館(官舎)に招いての歌会で前置きとした文章の一部といい、「梅をめでながら旅人が宴を楽しんでいる心情を詠んだものだ」とする解説があります。

旅人は藤原氏との政争に敗れた長屋王と親しかったために大宰府に左遷されたと言い、都をしのびつつ、もうすぐ帰れそうだとの希望を詠んだと解釈できるそうです。

漢字の音をあてて表記された「歌」と違い、「序」は表意文字としての感じを使った漢文体であるので出典として適していたようです。

漢字の意味


万葉集によると、『令月』とあるのは『素晴らしい月』という意味です。まさに天皇の代替わりに伴う季節感と、平和への祈りを感じます。

sponsored link

「令」には、「令嬢」「令息」といった言葉に使われるように「よい」という意味があります。「令」の漢字の構造は、ひざまずいている人に申しつけているという形で「命令」の意を含みます。

このため、令和を漢文調にすると「和たらしむ」とも読めます。

世の中を平和にという穏やかな印象があります。世界が調和され、平和が永遠に続きますようにというメッセージが込められているように感じます。

「中国では『令月』に『吉日』と付けることが多いそうです。令は吉と通じ、めでたい意味があるそうです。

「希望や花咲かせる時代に」


 安倍晋三首相は新元号「令和(れいわ)」について「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められている」と述べました。

 首相は新元号に込めた願いを「悠久の歴史と薫り高き文化、四季折々の美しい自然。こうした日本の国柄を、しっかりと次の時代へと引き継いでいく。厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人ひとりの日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたいとの願いを込め、『令和』に決定した」と語りました。

春の梅の様子の歌ですので和やかな印象を受ける元号だと思います。

ポルトガル語の発音だと?


新元号の令和はフランス語やポルトガル語だと「へいわ」と聞こえるようです。

フランス語のH音は無音のHと呼ばれており、存在しない発音とされてきました。

しかし、フランス人の喋るR音が実はハ行のHの音に近いことに気付かされることがあるといいます。喉の奥を震わせる音ということでハ行音(若しくはガ行音)に聞こえるようなのです。

フランス語圏の人が発音するとヘイワかゲワ(ヘヴァ/ゲヴァ)とかになるそうです。

そこでフランス人にしてみたら発音しやすいようにR音をL音にして、母音が続くのでreïwaで書いた方が良いのではという指摘もあるそうです。

ポルトガル語のR音は語頭に来るとH音となることは知られています。ハファエル、ホナウド、ホイス、みな名前はR綴りから始まります。

《太宰府の梅についてこちらもどうぞ》

梅の花 春が近づいてきたけれど、まだまだ肌寒さを感じる季節に和の趣を全開に香り高く花を開き始める梅の木。空気の澄んだ季節がとてもよく似...

《建国記念についてこちらもどうぞ》

建国記念日?建国記念の日? 日本が建国された記念の日で祝日である日という認識しかもっていない建国記念日について調べてみました。 ...

《春分の日ついてこちらからどうぞ》

春分の日 春分の日って、カレンダーが赤字の仕事や学校が祝日で休みの嬉しい日だという認識だったりもします。もちろん『お彼岸だから、お墓参...

まとめ


天皇退位に伴う改元は憲政史上初めてです。1989年1月に始まった「平成」は、4月30日で幕を閉じます。少し寂しいですが、「令和」という新しい時代が穏やかで平和な輝かしい時代であることを祈願したいと思います。

フランス語やポルトガル語で発音すると「平和」と聞こえるのも偶然ではないのでしょうね…。きっと。

スポンサードリンク