鳥居
山の中にある神社
厳かな雰囲気で、足を踏み入れる事に緊張さえ覚えます。
鳥居の立つ周りは1面黄金のコケで覆われています。ぴんと張りつめた空気。神聖な場所。
誰もいない。しーんとした空気の中、聞こえてくるのは私たちの足音と鳥の声。
今年もお参りすることができました。
鳴り響きましたよ、鈴の音。
鳥居とは
鳥居とは、神社などにおいて神域と人間が住む俗界を区画するものであり神社の内と外を分ける境に立てられ、鳥居の内は神様がお鎮まりになる御神域として尊ばれます。
神域への入口を示す、一種の「門」です。
私たちが神社にお参りをするとき、まず鳥居を目にします。鳥居は神社を表示し、また神社の神聖さを象徴する建造物ともいえます。
また、特定の神殿(本殿)を持たず、山など自然物を御神体、または依代としてお祀りしている神社の中には、その前に鳥居が立てられ、神様の御存在を現すものとして重視されています。
鳥居の起源
鳥居の由来や語源については諸説があります。
天照大御神が天の岩屋にお隠れになった際に、天岩戸から天照大神を引きずり出すために、岩戸の入り口で八百万の神々が宿り木に乗せた「常世の長鳴鳥(鶏)」を鳴かしたという伝説があり、鳥居は鳥の居場所という意味合いがあります。
鳥居の原型はその宿り木の形からきているとされ、鳥居の内側に天岩戸に身を隠す天照大神が鎮座していたことから鳥居の内側は神が宿る神聖な場所とされるようになり、いつしか鳥居は神社の聖域を示す建造物になったとの説が有力です。
他にも神社に参拝する際に、その下を通って入る(とおりいる)ことから鳥居と呼ばれるようになったとの説。
柱を神々が降臨する依代と考えることと鳥居を結び付ける説や外国からの渡来説などもあるようです。
神社幟(じんじゃのぼり)
のぼり旗を神社で見かけて気になったことがありませんか。
あののぼり旗は「神社のぼり」と言い、神社周辺や境内に掲揚されています。
街中で目にする一般的なのぼり旗のように、宣伝のために使用されているのではありません。
神社のぼりの目的
神社では主にシンプルなのぼり旗がたくさん並んでいます。
入口に大きなのぼりが立っていることもあります。
のぼりには古くから、神事の際に神様が降りてくるための目印である「招代(おぎしろ)」という意味があるのです。
神様が祭の場所に迷わず降りてきてくださるように、高く目立つように掲げられています。
また、神社に奉納をしている地元の人たちなどへの感謝の印として、のぼりを立てている場合もあります。
現代では主に2つの目的で掲揚されています。
祈願
のぼり旗を掲げることで、そののぼりが心霊の依代(よりしろ)となると言われており、祈願のために掲げます。
奉納品として
神社への奉納の証として、名前を入れたのぼり旗を掲げることがあります。
例えば、神社の修復・修繕等、費用の工面や、お祭りのときの寄付など、恩を形に残すという意味で神社のぼりが掲げられていることもあります。
また、装飾として掲揚される場合もあります。
その場合も華美なものではなくシンプルなデザインのものです。
鳥居を英語で
鳥居:tori-i gate
朱塗りの鳥居: red gate
木の鳥居: wood gate
石作りの鳥居: stone gate
まとめ
鳥居は、その材質・構造も多種多様で、それぞれの神社により形態が異なります。
一説には六十数種類の形態があるともいわれています。朱塗りの稲荷鳥居など特徴的なものがあります。朱色は生命の躍動を表すと共に、古来災厄を防ぐ色として重視されてきたと言われています。
起源や形態などさまざまではありますが、鳥居を見ると神聖さを感じるのは、私たち日本人の共通した思考ではないかと思います。