目次
春に咲く花【水仙「narcissus」】
河川敷を歩いていると、そよ風にそよそよそよぐ水仙をみつけました。厳しい寒さの中で頑張って咲いてくれていた日本水仙と入れ替わるようにラッパ水仙が咲き始めました。
日本でも自生していることや庭植えの定番として親しみ深い水仙は、花が可愛らしく、香りが良く風にそよぐ姿には本当に癒されます。
その水仙の姿を見て、ナルシストの語源ともなった美少年ナルキッソスが、泉に映った自分の姿に恋をして毎日見つめ続けたらいつのまにか1本の花になってしまったというギリシャ神話の物語を思い出しました。
水仙は品種により見頃が様々
水仙(スイセン)は、冬から春にかけて咲く花で、品種によって開花が数か月違います。例えば、上画像のニホンズイセンは12月~1月頃が見頃です。
早春のイメージがありますが、早咲きのものでは晩秋から開花するものもあります。
スイセンは栽培の歴史が古く、膨大な数の園芸品種があります。特に3月~4月に咲く西洋スイセンと呼ばれる種は多く、花形で分類すると、『ラッパズイセン』『大杯ズイセン』『小杯ズイセン』『口紅ズイセン』などがあります。
(河川敷にて撮影 2/26)
水仙は遅い開花の品種でも、4月頃には見頃が終了。その頃になるとチューリップが咲き始めます。
色や姿が豊富な水仙
水仙(スイセン)色々な品種があります。英国王立園芸協会では一万を超える品種が登録されているそうです。
いちばん馴染みがあるのは、ラッパ咲きのスイセンではないでしょうか?ニホンズイセンよりも花が大きいです。そのほか八重・オレンジ・白・黄色などがあります。色・姿も豊富です。
ミニ水仙もコンパクトでとても可愛らしいです。
名前の由来
仙人から
「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という、中国の古典に由来するとの説が有力だそうです。
天仙とは、白日昇天して天界に住む仙人ことを指し、地仙とは、天には行かず名山で修行中の仙人のことを指すそうです。
神でもない人間でもない、不思議な存在である仙人に例えられるなんて凄いです。
(河川敷にて撮影 2/26)
学名Narcissus “ナルシスト”の語源から
ギリシャ神話に出てくる美少年ナルキッソスは、性格が良くなくて恨まれることが多々あったのだそう。そんな恨みを持つ乙女の一人が、「彼の恋が報われないように…」と祈り、復習の女神ネメシスが聞き入れました。
ある日、ナルキッソスが水を飲むために泉にかがみ込んだ時、初めて見た自分の美しい姿に心を奪われてしまい、それが自分であるとも判らないまま憔悴して天に召されてしまいました。
哀れに思った神が、ナルキッソスを水仙に変えたと云われおり、今でも水仙は水鏡を覗き込むように咲くのだそうです。西洋での由来は、ちょっと悲しいです。
以前の記事もご参照ください。
まとめ
冬から春にかけて見頃を迎える水仙は、耐寒性があり基本的には放っておいても毎年花を咲かせてくれるお花です。
春の訪れを教えてくれる水仙ですが、季語は冬です。日本水仙が冬に咲くからです。
長い茎の先にうつむきながら凛とした花を咲かせる、上品でどこかはかなげな姿が大変魅力です。水仙の花が咲く、春先の素敵な季節を楽しみたいと思います。
(河川敷にて撮影 2/26)
【水仙(スイセン)】
性 質: 球根植物/多年草
分 類: ヒガンバナ科スイセン属
花 色: 白・黄・橙など
原産地: 地中海沿岸・北アフリカ・西アジア など