ふきのとう
英語で「Giant Butterbur」
早春、山道などを歩いていてふきのとうを見つけた時は、とても幸せな気持ちになります。まるで、妖精でも見つけたかのような喜びを覚えます。
まるくて、薄緑と薄黄色の優しい姿をしたふきのとう。山の澄んだ空気も手伝って、とても清々しい気持ちになります。
そんな春の訪れを知らせてくれるふきのとうの特徴と、食べ方のレシピをご紹介いたします。
ふきのとう(蕗の薹)とは
キク科 多年草
原産地 日本
高さ 20~30センチ
花期 2~3月
花色 白、クリーム色
フキノトウはキク科フキ属の多年草で日本原産の山菜で全国の山野に自生しています。
ふきのとうはつぼみの部分にあたり、この花が咲いた後には地下茎から伸びる葉(ふき)が出てきます。
北海道、本州、四国、九州及び沖縄県に分布しており、北は樺太から朝鮮半島や中国大陸でも見られます。山では沢や斜面、河川の中洲や川岸、林の際などで多く見られます。
郊外でも河川の土手や用水路の周辺に見られ、水が豊富で風があまり強くない土地を好み繁殖します。
近縁種は旧世界に広く分布し、ハーブとして利用されています。また、幻覚作用が報告されている種もあります。
花言葉
「待望」
早春に芽吹く「春の味覚」の一つで、その独特の滋味を待ちかねられる存在であることが由来です。
「愛嬌」「仲間」
複数本まとまって芽吹く姿のほほえましい様子をたとえた花言葉です。
山菜として
春の季節を表現する、山菜として日本料理には欠かせない食材です。
古くから食用に利用されてきており、独特な芳香と、苦味を、香辛料として使用し早春の食材として、蕾の状態で採取され、天ぷらや煮物・味噌汁・ふきのとう味噌に調理して食べられます。
一般的には花が咲いた状態のふきのとうを食べる事は避けられますが、細かく刻んで油味噌に絡める「ふきのとう味噌」などには利用が可能です。
花には独特の清涼感があります。伸びたフキノトウも葉や花を取り除き、茎の部分を軽く灰汁抜きしたものを肉や刻んだ油揚げ、糸コンニャクなどと一緒に煮付けても美味しいです。
フキの葉柄よりも柔らかく筋もあまり気にならないので、茹でた後でも硬ければ茎の皮を剥ぐ程度で良いです。
ふきのとうのレシピ
《フキノトウの選び方》
締まりがあり、つぼみがまだ硬く閉じていて、周りの葉で花芽が見え始める位までの物が美味しいです。
大きくなり過ぎた物は苦味も強すぎて美味しくないので、小ぶりの物を選んだほうが良いです。
《保存方法》
乾燥しやすいですので、ポリ袋などに入れて冷蔵庫に入れておきます。早めに食べる事をお勧めします。
冷凍する場合は、下茹でしアクを抜いた状態で冷凍します。使う時は自然解凍で和え物や汁物などに使います。
ふきのとうの天ぷら
油で調理することでその特有の苦みが柔らかくなり、食べやすくなります。
ふきのとう … 4個
小麦粉 … 大さじ2
水 … 大さじ3
かたくり粉 … 適量(打ち粉用)
揚げ油 … 適量
① ふきのとうの下処理
ふきのとうは汚れた葉があれば取り除き、塊のままではなく、葉を開いた状態で揚げます。 しっかり折り目をつけるくらいの気持ちで葉を開ききってから、かたくり粉をまんべんなく全体にまぶします。
② ふきのとうの天ぷらの揚げ方
衣は小麦粉2:水3の割合を目安に軽く混ぜ合わせます(少量の卵を入れてもいいです)。
ふきのとう全体に衣をつけ、170〜180℃に熱した油の中に、①で開いた丸い花の部分が下にくるようにそっと入れます。(はじめに火の通りにくい花の部分から油に入れ、最後に裏返すと良いです)。
最後は少し火を強めて、カラッとさせて、しっかり油を切って盛り付けます。
ふきのとうの味噌
「ご飯のお供」春先にはふきのとう味噌がおすすめです。
ふきのとう … 100g
(中サイズのもので8〜10個くらい)
サラダ油 … 大さじ1
味噌 … 大さじ4
みりん … 大さじ2
砂糖 … 小さじ1〜2
▪ふきのとう味噌の作り方
ふきのとう味噌のレシピで一番大切なことは、『材料を用意する順番』です。
ふきのとうはアクが強いので切ったらすぐに炒めなければいけないので、以下が手順です。
① 味噌をはかって、みりんとあわせておきます。
② ①を鍋または小さめのフライパンを用意して油を入れて温めておきます。
①②が準備できてから、ふきのとうを刻み始めます。細かく5㎜角くらいになるように刻みます。切ってるそばからすぐに黒ずんできます。
③ ふきのとうを全部刻み終えたら、予熱しておいた鍋ですぐに炒めはじめます。
ここで全体に油が回るように1分ほど炒めてあげると、アクが多少和らぎます。
④ 油が回ったら①で用意した味噌とみりんを入れてよく混ぜ合わせ、1〜2分ほど少し練るように弱めの火にかけ、水分を飛ばします。
最後に仕上げの砂糖を加えるのですが、味見をして小さじ1〜2くらいの間で調整するとよいと思います。
⑤ 出来上がったら清潔な容器に移し、冷めてから冷蔵庫に入れましょう。10日から2週間ほど保存可能です。
まとめ
ふきは、日本原産の植物で、春の到来を告げるさわやかな苦味が特徴の山菜であることがわかりました。
ふきのとうをはじめ、春の山菜の爽やかな苦みは芽吹きの味です。エネルギーを感じながらその恵みに感謝して頂きたいと思います。